2026.07.15
二日酔いはなぜ起こる?原因と仕組み、頭痛・吐き気・寒気など症状別の理由を解説
「昨日はあんなに楽しかったのに、朝起きたら頭がガンガンする」「胃がムカムカして起き上がれない」「なぜか寒気がする、汗が出る」――お酒を飲んだ翌日、そんな経験をしたことがある方は多いのではないでしょうか。
二日酔いの原因というと「アセトアルデヒド」が有名ですが、実はそれだけではありません。この記事では、二日酔いが起こる仕組みと、頭痛・吐き気・寒気・空腹など症状ごとの「なぜ」を、海外の研究機関の情報も交えてわかりやすく解説します。
| 先に結論 二日酔いは、体の中のアルコールがほぼ抜けた頃にピークになる心身の不調です。原因は1つではなく、脱水、睡眠の質の低下、胃への刺激、体の炎症、アセトアルデヒド、アルコールが抜けた後の反動(ミニ離脱)、血糖値の低下などが重なって起こると考えられています。仕組みはまだ完全にはわかっていません。 |
| 目次 1. 「酔い」と「二日酔い」は何が違う? 2. アルコールが体の中で分解される仕組み 3. 二日酔いの原因は1つではない 4. なぜ寝て起きた朝がいちばんつらいのか 5. 症状別|頭痛・吐き気・寒気・空腹は「なぜ」起こる? 6. 同じ量でもつらい日・つらくない日がある理由 7. 二日酔いを軽くするために 8. よくある質問 9. まとめ |

「酔い」と「二日酔い」は何が違う?
| 酔い | 二日酔い | |
|---|---|---|
| いつ | アルコールが体に残っている間 | アルコールがほぼ抜けた頃から |
| 主な様子 | 気分が高まる、ふらつく、判断力が落ちる | 頭痛、吐き気、だるさ、喉の渇き、汗、音や光がつらい |
| 続く時間 | 飲んでから数時間 | 24時間以上続くこともある |
アメリカの国立アルコール乱用・依存症研究所(NIAAA)は、二日酔いの症状は血中のアルコール濃度がほぼゼロに戻る頃にピークになるとしています。研究の分野でも、二日酔いは「1回の飲酒のあと、血中アルコール濃度がゼロに近づく頃から始まる、心と体のつらい症状の組み合わせ」と定義されています。
つまり、「酔い」はアルコールが体にある間の状態、「二日酔い」はアルコールが抜けたあとに残る不調です。
アルコールが体の中で分解される仕組み
お酒に含まれるアルコール(エタノール)は、胃や小腸から吸収され、血液にのって全身に運ばれます。その約9割は肝臓で分解されるといわれています。
- アルコール脱水素酵素(ADH)などによって、アルコールが「アセトアルデヒド」に分解される
- アセトアルデヒドは、アルデヒド脱水素酵素(ALDH)によって「酢酸」に分解される
- 酢酸は最終的に水と二酸化炭素になり、体の外に出ていく
途中でできるアセトアルデヒドは毒性の強い物質で、顔が赤くなる、動悸がするなどの原因になります。分解にかかる時間の目安は「アセトアルデヒドとは?分解にかかる時間と二日酔いとの関係」で紹介しています。
二日酔いの原因は1つではない
以前は「二日酔いの正体はアセトアルデヒド」と説明されることが多くありました。ところが、二日酔いがピークになる頃には、アルコールもアセトアルデヒドもかなり分解されています。そのため現在では、いくつもの原因が重なって起こると考えられています。
| 原因 | 体の中で起きていること |
|---|---|
| 脱水 | アルコールが、体に水分をためておくホルモンの働きをおさえるため、尿が増えて水分が失われる |
| 睡眠の 質の低下 |
寝つきはよくなっても眠りが浅く、途中で目が覚めやすい |
| 胃への 刺激 |
アルコールが胃の粘膜を直接刺激し、胃酸も増える |
| 体の炎症 | アルコールによって、体の中で炎症反応が起こりやすくなる |
| アセト アルデヒド |
分解の途中でできる毒性の強い物質。体質によって残りやすい人もいる |
| ミニ離脱 | アルコールの落ち着かせる作用に脳が慣れ、抜けたあとに反動で落ち着かない・不安になる |
| 血糖値の 低下 |
血糖値が下がりすぎると、だるさ・力が入らない・手のふるえにつながる |
※出典:NIAAA「Hangovers」、Mayo Clinic「Hangovers」をもとに作成。二日酔いの仕組みは、まだ完全には解明されていません。
なぜ寝て起きた朝がいちばんつらいのか

飲んでいる間は平気だったのに、朝起きるとつらい。これには、次のような理由が考えられています。
- 酔っている間は、つらさに気づきにくい:アルコールには、感覚をにぶらせる作用があります
- 寝ている間に、不調が積み重なる:夜のあいだにも尿で水分が出ていき、眠りは浅くなり、胃への刺激も続きます
- 朝、アルコールが抜けた頃にピークがくる:ちょうど起きる頃に、血中のアルコール濃度がゼロに近づきます
明け方まで飲んでいた場合は、アルコールが抜けるのも遅くなるため、昼すぎや夕方になってからつらくなることもあります。「朝は平気だったのに、夕方から二日酔いがきた」というのはこのためです。
なお、二日酔いの症状は24時間以上続くこともあります。つらいときの対処法と、病院に行く目安は「二日酔いの吐き気・頭痛はいつまで続く?」で解説しています。
症状別|頭痛・吐き気・寒気・空腹は「なぜ」起こる?
頭が痛いのはなぜ?
脱水、体の炎症、睡眠の質の低下などが重なることが、原因として考えられています。飲酒によって血管が広がることも、頭痛の一因といわれています。
吐き気・胃がムカムカするのはなぜ?
アルコールが胃の粘膜を直接刺激し、胃酸が増えるためと考えられています。アセトアルデヒドも、吐き気の一因になるといわれています。空腹で飲んだり、短い時間にたくさん飲んだりすると、刺激が強くなりやすくなります。
だるい・起き上がれないのはなぜ?
眠りが浅く疲れがとれていないこと、脱水、血糖値の低下などが重なると、体が重く、起き上がるのもつらく感じることがあります。
寒気がする・暑くて汗が出るのはなぜ?
お酒を飲むと皮膚の血管が広がり、体が温かく感じます。ただ、そのぶん体の熱は外に逃げやすくなるため、時間がたつと体が冷えて寒気を感じることがあります。
一方で、アルコールが抜けたあとの反動(ミニ離脱)では、汗が出る、ドキドキする、体がほてるといった症状が出ることがあります。二日酔いの朝に「寒いのに汗をかいている」と感じるのは、こうした変化が重なるためと考えられます。
おなかがすく(空腹を感じる)のはなぜ?
アルコールの影響で血糖値が下がることがあり、空腹感やだるさ、手のふるえにつながると考えられています。ただし、胃が荒れているときに脂っこいものを一度にたくさん食べると、胃に負担がかかります。まずは水分と、消化のよいものを少しずつとりましょう。
喉が渇くのはなぜ?

アルコールによって尿が増え、体の水分が失われるためです。水や経口補水液、スポーツドリンクなどで、少しずつこまめに水分をとりましょう。
同じ量でもつらい日・つらくない日がある理由
「同じ量を飲んだのに、今日はひどい二日酔い」ということもあります。二日酔いのなりやすさには、体質だけでなく、その日の体調や飲み方も関わっています。
| 要因 | つらくなりやすい例 |
|---|---|
| 体質 | アセトアルデヒドを分解する酵素(ALDH2)の働きが弱い。少量で顔が赤くなる人 |
| 空腹 | 何も食べずに飲み始めた。アルコールの吸収が早くなりやすい |
| 睡眠不足 | 前の晩に寝不足だった、夜遅くまで飲んで睡眠時間が短い |
| 飲む ペース |
短い時間にたくさん飲んだ。水を飲まずにお酒だけを続けた |
| 体格・ 男女差 |
体が小さい人や、体の水分量が少ない人は、同じ量でも血中のアルコール濃度が上がりやすい |
| 体調 | 疲れている日、かぜ気味の日 |
男女の違いは「二日酔いになりやすいのは男性?女性?」で詳しく解説しています。
二日酔いを軽くするために
原因が1つではないぶん、対策も「飲む前」「飲んでいる間」「寝る前・翌朝」の組み合わせで考えるのがおすすめです。
- 飲む前:空腹で飲み始めない。水をコップ1杯飲んでおく
- 飲んでいる間:お酒と同じくらいの量の水(和らぎ水)を飲む。ペースを落とす
- 寝る前・翌朝:水分をとって、しっかり休む。迎え酒はしない
具体的な方法は「二日酔い対策の完全ガイド|飲む前・寝る前・翌朝にできること」でまとめています。
よくある質問
Q. お酒を飲んでいないのに、二日酔いのような症状が出るのはなぜ?
A. 寝不足、脱水、疲れ、かぜのひき始めなどで、頭痛やだるさ、吐き気が出ることがあります。何日も続く、だんだん強くなる、ほかの症状もある場合は、医療機関に相談しましょう。
Q. 最近、お酒に酔えなくなったのはなぜ?
A. お酒を飲む習慣が続くと、脳がアルコールに慣れて酔いを感じにくくなる「耐性」ができることがあります。酔えないぶん飲む量が増えやすく、体への負担や、お酒がやめにくくなるリスクも高まります。飲む量や日数を見直すきっかけにしましょう。
Q. 迎え酒をすると楽になるって本当?
A. 一時的に楽に感じることがあっても、アルコールが抜けるのを先送りするだけで、体への負担はさらに増えます。迎え酒はやめましょう。
Q. 二日酔いはいつまで続きますか?
A. 多くは1日ほどで落ち着きますが、24時間以上続くこともあります。目安と対処法は「二日酔いの吐き気・頭痛はいつまで続く?」をご覧ください。
まとめ
二日酔いは、体の中のアルコールがほぼ抜けた頃にピークになる不調です。アセトアルデヒドだけでなく、脱水、睡眠の質の低下、胃への刺激、炎症、アルコールが抜けた後の反動、血糖値の低下などが重なって起こると考えられています。
頭痛・吐き気・寒気・空腹など、症状によって主な理由は少しずつ違います。仕組みを知っておくと、「飲む前」「飲んでいる間」「寝る前・翌朝」にできることが見えてきます。
あわせて読みたい:二日酔いの吐き気・頭痛はいつまで続く?症状別の対処法と病院に行く目安
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参考文献
・National Institute on Alcohol Abuse and Alcoholism(NIAAA)「Hangovers」
・Mayo Clinic「Hangovers – Symptoms and causes」
・Verster JC, et al.(Alcohol Hangover Research Group)による二日酔いの定義(2020年)
※本記事は一般的な情報提供を目的としたものです。症状が重い・長引く場合は、医療機関にご相談ください。

