2026.08.18
お酒は美容の大敵?飲んだ次の日の肌・むくみ・髪への影響と対策
「最近、お酒を飲んだ翌日は肌の調子がいまいち」「髪のパサつきが気になる」——そんな実感を持ったことがある女性は多いのではないでしょうか。反対に、「飲んだ次の日のほうが肌がきれいに見える」と感じる方もいます。お酒そのものが直接「肌を悪くする」というより、飲酒にともなって体の中で起こるいくつかの変化が、肌や髪のコンディションに影響していると考えられています。この記事では、飲酒が肌・髪に与える影響の仕組みと、翌朝のむくみ対策や飲み方の工夫を、研究知見も交えながら解説します。
| 先に結論 お酒を飲んだ次の日に肌がきれいに見えるのは、血色やむくみによる一時的な見え方であることが多いと考えられます。一方で、脱水・睡眠の質の低下・栄養素の消費は乾燥やくすみ、むくみにつながりやすく、習慣的な飲酒はアセトアルデヒドによる「糖化」の積み重ねにも関わるとされています。影響を減らすには、飲む前に軽く食べる、糖質の少ないお酒を選び水を一緒に飲む、たんぱく質や野菜のおつまみを選ぶ、メイクを落として早めに寝る、翌朝はむくみと保湿のケアをするの5つが基本です。 |

お酒を飲んだ次の日、肌がきれいに見えるのはなぜ?
「お酒を飲んだ翌日は、なんだか肌の調子がいい」と感じることがあります。考えられる理由は、主に次の2つです。
- 血色がよく見える:アルコールには血管を広げる働きがあり、飲んでいる間から翌朝にかけて、顔色が明るく見えることがあります。
- 軽いむくみでふっくら見える:体内の水分バランスが崩れて顔が少しむくむと、小じわが目立ちにくくなり、ハリが出たように見えることがあります。
ただし、どちらも一時的なものです。このあと紹介する脱水や睡眠の質の低下が重なると、時間がたつにつれて乾燥やくすみを感じやすくなります。「お酒は肌にいい」というより、「一時的にそう見えることがある」と考えておくのがよさそうです。
「酒蔵で働く人の手はきれい」「酒粕は肌にいい」といった話を聞いたことがある方もいるかもしれません。ただ、これらは麹や酒粕に手で触れることや、食品として食べることについての話で、お酒を飲むことで同じことが起こるわけではありません。
飲酒が肌に与える影響
脱水による乾燥・くすみ
アルコールには利尿作用があり、通常の水分摂取よりも多くの水分が排出されやすくなると言われています。体全体が水分不足の状態に傾くと、肌の潤いも同時に失われやすくなり、翌朝の肌が乾燥してくすんで見える、という感覚につながることがあります。
ビタミン・栄養素の消費
アルコールが体内で代謝される過程では、ビタミンB群など複数の栄養素が消費されると言われています。ビタミンB群は肌のターンオーバー(生まれ変わり)に関わる栄養素としても知られているため、飲酒の頻度が高い時期は、食事でこうした栄養素を意識的に補いたいところです。
血行の変化によるむくみ・赤み
飲酒によって血管が拡張し、一時的に顔が赤くなったりむくんで見えたりすることがあります。これは体質による個人差が大きい部分ですが、翌朝まで顔のむくみが残っていると感じる方は、このあと紹介する「お酒を飲む日の美容ケア」の翌朝のケアも参考にしてみてください。
睡眠の質低下とターンオーバーへの影響
アルコールは寝つきを良くするように感じられることがある一方で、睡眠全体の質を下げる傾向があるとも指摘されています。肌のターンオーバーは睡眠中に進むと言われているため、睡眠の質が下がることは、間接的に肌のコンディションにも影響しうる要因のひとつです。
アセトアルデヒドと「糖化」の関係
以前の記事で、アルコールが体内で分解される際に「アセトアルデヒド」という物質が生まれることをご紹介しました。実はこのアセトアルデヒドには、肌の老化に関わる「糖化」という反応を促進してしまう働きがあることが、複数の研究で報告されています。
糖化とは、体内の余分な糖やアセトアルデヒドのような物質が、コラーゲンなどのタンパク質と結びつき、タンパク質を変性させてしまう反応のことです。この反応が進むと「AGEs(終末糖化産物)」と呼ばれる物質が生成され、肌のハリを支えるコラーゲン繊維の柔軟性を損なわせたり、肌がくすんで黄ばんで見える一因になったりすると考えられています。国内の研究機関の調査でも、飲酒の頻度が高い人ほど、肌に蓄積するAGEsの量が多い傾向が確認されたと報告されています。
また、アセトアルデヒドは体内の活性酸素の産生にも関わっているとされ、「酸化」と「糖化」が互いに影響し合いながら進む、という指摘もあります。飲酒による肌への影響は、その場限りの乾燥やむくみだけでなく、こうした化学反応の積み重ねという側面もあることが分かってきています。
飲酒が髪に与える影響

頭皮の乾燥・髪のパサつき
肌と同様に、脱水傾向は頭皮の乾燥にもつながると考えられています。頭皮の乾燥は、髪のパサつきやまとまりにくさを感じる一因になることがあります。「お酒を飲む日が続くと髪がパサパサする」と感じるときは、水分補給と睡眠を見直してみましょう。
栄養素不足の影響
髪の健康維持には、亜鉛やビタミンB群など複数の栄養素が関わっているとされています。アルコール代謝によってこれらの栄養素が消費されやすくなることは、髪への影響を語る際にもあわせて指摘されることが多いポイントです。
一時的な影響と、積み重なる影響の違い
ここまで紹介してきた影響は、大きく2つに分けて考えることができます。
- 一時的な影響:脱水によるむくみ・乾燥、血行変化による赤みなど。多くは数日以内に元の状態に戻ると考えられているものです
- 積み重なる影響:糖化・酸化によるコラーゲンへのダメージなど。長期的な飲酒頻度と関連が指摘されているもので、一晩の飲酒ですぐに現れるものではなく、習慣として積み重なることで影響が大きくなっていくと考えられています
「今日だけ」の対策と、「日頃からの飲酒スタイル」を分けて考えることが、美容面でのお酒との付き合い方を考えるうえでのポイントと言えそうです。
お酒を飲む日の美容ケア|タイミング別にできること
影響の仕組みが分かったところで、ここからは「では、どうすれば肌や髪への影響を減らせるのか」を、飲む前・飲んでいる間・帰ってから・翌朝の4つのタイミングに分けて紹介します。全部でなくても、できるものから取り入れてみてください。
① 飲む前:空腹で飲み始めない
- 軽く食べておく:おにぎり、ゆで卵、ヨーグルト、チーズなど。空腹で飲み始めると酔いが回りやすく、飲む量も増えがちです
- 水をコップ1杯飲んでおく:脱水のスタートを遅らせる、いちばん手軽な準備です
- 保湿をしっかりしておく:飲み会の前に、ハンドクリームやリップ、ミスト化粧水で乾燥しやすいところを整えておくと安心です
② 飲んでいる間:お酒とおつまみの選び方
お酒は「糖質が少なめ」のものを中心に
カクテルや甘口のお酒、甘いチューハイ、梅酒など、糖分を多く含むお酒を選ぶ機会が多い方は、アセトアルデヒドによる糖化に加えて、糖質そのものによる糖化のリスクも重なりやすくなります。ハイボール、焼酎の水割り・お湯割り、辛口のワインなど、糖質の少ないお酒を中心にするのがおすすめです。そして、お酒と同じくらいの量の水を、合間に飲むようにしましょう。
おつまみは「たんぱく質」「ビタミン」「塩分ひかえめ」で選ぶ
この3つを意識する理由は、ここまで紹介してきた肌や髪への影響とつながっています。
- たんぱく質:肌や髪の材料になる栄養素です。食べたたんぱく質は体の中でアミノ酸に分解され、コラーゲンや髪のケラチンなどをつくるもとになります。おなかに食べ物が入っていると、空腹で飲むよりも酔いがゆっくり回りやすくなります
- ビタミン:アルコールの代謝で消費されやすいビタミンB群や、酸化を意識するときに役立つビタミンC・E(抗酸化ビタミン)を補います
- 塩分ひかえめ:塩分をとりすぎると、体が水分をため込みやすくなり、翌朝の顔のむくみにつながります。野菜や海藻、いも類などに含まれるカリウムには、余分な塩分(ナトリウム)を体の外に出しやすくする働きがあるとされています
| 目的 | おつまみの例 |
|---|---|
| たんぱく質 (アミノ酸) |
枝豆、冷ややっこ、焼き魚・刺身、焼き鳥、だし巻き卵、チーズ |
| ビタミン B群 |
枝豆、豚肉の冷しゃぶ、納豆、レバー |
| 抗酸化 ビタミン (C・E) |
ビタミンC:トマトスライス、ブロッコリーやパプリカのサラダ ビタミンE:素焼きのアーモンド、アボカド、かぼちゃの煮物 |
| 塩分 ひかえめ |
味の濃い揚げ物や、塩辛・さきいかなど塩辛い珍味は少なめに。カリウムを含む冷やしトマト、ほうれん草のおひたし、海藻サラダなどの小鉢を一緒に |
③ 帰ってから寝るまで:メイク落としと水分補給

- メイクはその日のうちに落とす:疲れていても、クレンジングと保湿だけは済ませましょう。拭き取りタイプのクレンジングを用意しておくと、帰宅が遅い日も続けやすくなります
- 寝る前にコップ1杯の水:寝ている間の水分不足を和らげます
- シメのラーメンは控えめに:夜遅い時間の塩分と糖質は、翌朝のむくみにつながりやすくなります
- できるだけ早く寝る:睡眠時間を確保することが、肌のコンディションを整えるいちばんの近道です
④ 翌朝:むくみと乾燥のケア
飲み会の翌朝、鏡を見て「顔がむくんでいる」「肌が乾燥している」と感じたときは、次のケアを試してみましょう。むくみの多くは、時間がたつと自然に落ち着いていきます。

| お悩み | ケアの例 |
|---|---|
| 顔のむくみ | 蒸しタオルで顔を1分ほど温めてから、冷たいタオルで軽く冷やす。首から鎖骨に向かって、やさしくなでるようにマッサージする |
| 肌の乾燥 | 化粧水をいつもより丁寧になじませ、乳液やクリームでふたをする。日中はミスト化粧水で保湿を足す |
| 朝ごはん | 水分と一緒に、カリウムを含むバナナ・トマト・海藻・いも類や、たんぱく質のゆで卵・納豆・味噌汁などを |
| 体のだるさ | 軽いストレッチや散歩で体を動かす。熱いお風呂やサウナは脱水が進むので避ける |
※むくみが何日も続く、片側だけが強くむくむなど、いつもと違う場合は医療機関に相談しましょう。
飲み会が何日も続く時期の過ごし方は「忘年会・飲み会が連日続いて疲れるときの体調管理術」、女子会のように会話が弾んでつい杯が進みやすい場面の過ごし方は「女子会前後の二日酔い対策」でも紹介しています。
お酒を飲む日のサプリ、女性はどう選ぶ?
お酒を飲む日のためのサプリを選ぶなら、次の4つを目安にしてみてください。
- 持ち歩きやすさ:分包タイプなら、バッグに入れておけて、外出先でも取り入れやすい
- 成分の組み合わせ:アミノ酸やビタミンB群など飲む日を意識した成分に加えて、ビタミンCやセラミドなど美容系の成分を組み合わせたものもある
- 味と続けやすさ:苦手な風味だと続かないので、飲みやすい味を
- サプリに頼って飲みすぎない:サプリはあくまで備えのひとつ。お酒の量・水分・睡眠が基本です
まとめ
飲酒による肌・髪への影響には、脱水やむくみといった一時的なものと、アセトアルデヒドによる糖化・酸化のように、習慣的な飲酒の積み重ねで進んでいくものの、両方があると考えられています。次の日に肌がきれいに見えることがあっても、それは一時的な見え方であることが多いので、飲む前・飲んでいる間・帰ってから・翌朝の4つのタイミングで、できるケアから取り入れていきましょう。
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参考文献
・同志社大学 糖化ストレス研究センターの研究に基づく報道記事(日本経済新聞)
・皮膚科・美容クリニック等が公開する糖化・AGEsに関する解説記事
・National Institute on Alcohol Abuse and Alcoholism(NIAAA)「Hangovers」(脱水・睡眠への影響)
